※本記事は高雄左營・自助新村のストリートアート(1)の続編です。

台湾人の「眷村(けんそん)」に対するイメージの一つとしては街角に反共色・軍事色の強いスローガンが残っていることが挙げられます。実際、中国共産党軍に敗れ、台湾に逃れてきた国民党軍兵士や家族、その子孫が住むので、そういうスローガンが多かったのは事実なのですが、ここに若い世代ならではの感性が結びついた面白い作品がたくさんありました。

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多分「反共愛國巷」と読むのでしょう、この通りに眷村らしい作品がそろっています。ちなみに電柱柱に書かれている「一年準備,兩年反攻,三年掃蕩,五年成功」とは台湾に逃げてきた国民党がいずれ中国(大陸)に戻ることを強調したスローガンです。

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「反共必勝」の下で某大手コンビニのキャラクターが海軍の服を着ている様に見えますが、これもきっと気のせいでしょう。

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ちなみに「強身報國(御国のために強くなろう)」と書かれています。イラストのユーモラスさが良い感じです。

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「中美合作」とは「中華民国とアメリカの協力」という意味です。反共の砦としてアメリカの援助を多く受け入れていた蒋介石時代は良く見られたスローガンでした。

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「蔣委員長於盧山發表抗日宣言指示: 中華民國之生死存亡,要全靠全國軍民,全國軍民之營養補給,全靠 仙姑茶葉蛋,軍事委員會制」・・・厳粛な抗日宣言も前回出てきた「仙姑茶葉蛋」の宣伝となりました。

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「毋忘再舉」とは「毋忘在莒」をもじった表現です(北京語では発音も同じです。)。元々は故事成語で中国(大陸)への反撃を訴えるスローガンだったのですが、「毋忘再舉」とは「再び立ち上がることを忘れるなかれ」という意味です。絵を良く見てください。褌の中から重そうなものをぶら下げて修練していますよね。これは男性のアレを鍛えるための修行なのです。となると何が「再び立ち上がる」か分かりますよね。ちなみにこの表現は大人の話題でたまに使われるようです。

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またまた大人の話ですが、「八叄一(八三一)營站」とは軍隊の近くで性的サービスを提供する所を指します。「大丈夫效命疆場,小女子獻身報國」、つまり男は戦場でご奉公、女は國のために(文字通り)身を献じるわけです。「井井有條」とは、順序よく整頓された状態を指すのですが、こういうところだとチケットを持たされ、整列して、「次!はい次」とか言われながらサービスを受けていることを皮肉っている感じです。旧日本軍人の方の書かれた文章を見ると本当に「実用一色」でムードのかけらもない様に見えますが、台湾でも同じだった様です。

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ようやく大人の話題から離れて、ヘリコプターと軍艦です。

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「保密防諜 人人有責」の防諜とは日本語でもあったのですが、戦後廃れてしまいました。現代的な言い回しをすると「みんなで スパイ防止」みたいな意味です。このときのスパイとはもちろん中国のスパイです。でも最高機密だったはずの「國光計畫(国光計画・蒋介石による中国大陸奪回計画)」が会議で議論された2日後には中国のラジオ放送で暴露されるなど、機密はダダ漏れで「ダメだ、こりゃ」状態だったそうです。

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反共の歌(反攻大陸)の歌詞です。台湾では現在の30代くらいまでは歌わされた経験があるそうです。台湾が民主化して自由な雰囲気になったのは実はつい最近なんですね。自助新村で昔のスローガンのパロディを見ることが出来るのはそういう意味でも感慨深いものがあります。

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(2011年5月3日 更新)

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