「冷泉(れいせん)」とは温泉とは逆に冷たい水につかります。世界的に見てもとても珍しいものなのですが、その一つが台湾の蘇澳にあります。

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冷泉水は1キロメートルほど地下の岩盤の裂け目にたまっています。そのときの温度は45~50℃なのですが、同時に地下の高圧力のもと、水には大量の炭酸が溶け込んでいます。冷泉水が地表近くに上がってくると圧力から開放された炭酸が一気に泡となり、その際に冷泉水の熱を奪い、水温を22℃前後にまで下げるのです。

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写真は個人池(貸切風呂)です。公眾池(大浴場)もありますが水着必須です。冷泉水には、炭酸、ナトリウム、カルシウムなどが溶け込んでおり、皮膚病や血行促進などの効能もあるそうですが、水温22℃の水は夏でもかなり冷たく感じます。初めての方は全身を浸かるまでに結構時間がかかるかもしれません。余りの冷たさに結構悲鳴も聞こえて来ます。

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個人池(貸切風呂)の受付近くには冷泉が懇々と湧いている大きな甕が置かれており、手を浸すとなかなか気持ちいいです。更に近くには蛇口があり、冷泉を飲むこともできます。

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水面に泡が出ているのが見えますでしょうか?地表に湧き出ても、炭酸が多く溶け込んでおり、周辺ではこれを利用して作られたサイダーも売られています。日本統治時代から作られているので、台湾でも「ラムネ」と呼んでいます。瓶のくびれた部分にラムネ玉が入っているのも日本と同じです。

冷泉は大量の炭酸を含んでいるため、呼吸困難で魚介類や昆虫が死んでしまうため、昔は有毒な湧き水だと誤解されていましたが、日本統治時代にこの地を訪れた日本の軍人、竹中信景がそれを知らずこの水を飲み、渇きを癒す効能に気付いたことで、冷泉の効能研究が始まりました。竹中信景は退官後は蘇澳に住み、冷泉をつかったラムネ工場を建てたり、実際に冷泉に入浴してみたりと冷泉普及のために力を尽くしました。こういうところにも台湾と日本の縁を見出すことができます。

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(2011年5月15日 更新)

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