右から左に通訳できる人などいない!良い中国語通訳の選び方・使い方

通訳が自分の分身みたいなものかお

Computex Taipei (台北国際コンピューター見本市)などの展示会、政府のビジネス交流イベント、商談などで何度も通訳をやっていて思うことをまとめたいと思います。

通訳者の理解以上には相手には伝わらない

言葉が通じない以上、相手が聴くのは通訳者の話になります。事実上、通訳者は話し手の分身なのです。よって通訳者が話し手の意図を踏まえていかに表現するかが非常に重要になっています。

自社製品やサービスを売り込む側など、何らかのプレゼンを通訳を通じて行う場合、通訳がプレゼンの内容、さらに製品やサービスについて理解していればしているほど、プレゼンの内容がより効果的に相手に伝わる可能性が上がるのです。

事前に通訳者と打ち合わせを行い、場合によっては資料も提供して通訳者の理解を深めてもらうことをお勧めします。 技術面だったら原理的な部分、製品の魅力、他社との違いなど、背景まで掘り下げてしっかり通訳者に理解してもらい、自信をもって話をしてもらう必要があります。

右から左に翻訳は不可能

逆にいえば、意味も分からないまま右から左に翻訳は不可能です。もし通訳がプレゼンの内容を理解していなければ、相手に伝わる内容はほぼゼロだと考えた方が良いと思います。

通訳は分かったふりをせず、もし分からなければ、話し手に説明を求めるくらいの慎重さが必要だと思います。良く分からないのにその場だけ取り繕おうとする通訳が一番最悪だと私は思います。

下手をすると中国語と日本語を両方聴くと意味が逆になっていたりします。両方事情が把握できないのを良いことに通訳が適当に丸め込もうとする通訳もいます。こうすると何のために会議やプレゼンをやっているのかわかりません。

聞き手に合わせて話し方は変える必要がある

話し手にとっては当たり前のことでも、聞き手にとってそうでないことがあります。 また日本と台湾の違いや業界の違いなどで、プレゼンの元々の内容に加えて、補足説明を付けないといけない場合が良くあります。

例えば台湾企業による「ZigBee(ジグビー)」という無線通信規格を採用した製品を紹介するプレゼンがあったのですが、日本ではZigBeeは余りなじみがないうえ、参加者も決して無線技術に詳しい達には見えませんでした。

でもZigBeeの特徴が分からないとプレゼンの意味がありません。そこで事前に発表者に了解をもらったうえで、私の方で2~3分ほどかけてZigBeeの解説を先に行いました。

言わなくては伝わらない

例えば日本の食品業が台湾でニュースリリースを出す際、原案を見ると自社の日本での知名度を前提にした非常に「あっさり」した内容でした。これだと台湾のマスコミの人が見た際にニュース価値が感じられません。

そこで弊社で徹底的に書き直し、その会社が設立が古い老舗であること、その会社の製品を愛用している芸能人が多数いることなど、いかに日本で有名なのかを具体的な事実を基に書きました。またその会社が味に対していかに気を使っているのか、どれだけ真面目に取り込んでいるのかを、これも具体的な事実を基に記載しました。

美辞麗句より「こだわり」、「物語」

また魅力を伝えるといっても、ただ「おいしい」とか「よい」など、どこでも言いそうな美辞麗句など、何の説得力がありません。

あるメーカーの例です。とても良いものを作っているのですが、最初は正直他社の類似商品と比べて何が良いのか、差別化がいまいち良くできていませんでした。それはメーカーさん自身も理解していたのですが、どう改善すればよいのか分からなかったのです。

このメーカーに詳しく話を聴くと、美しく加工し、表面に傷をつけないようにするため、金型などの調整を、自社の「匠」の指先の感覚によって、ミクロン単位で行っているのです。こういったことはパンフレットやウェブサイトには全く書かれていませんでした。

例えば自動車のレクサスのような知名度の高いブランドであっても、塗装について「匠の手作業によって目に見えない凹凸をも平滑にし、艶を極限まで高め」るなど、良いものを作るための「こだわり」を具体的に表現しています。

こういう具体的な事実を基に、顧客が納得して購入できる商品に関する「物語」を示すのが大事だと我々は考えています。

参考文献 (クリックすると一覧を表示)
  • LEXUS ‐ LEXUS COLORS|特徴|IS (https://lexus.jp/models/is/features/colors/、2019年05月12日閲覧)

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