中国人の面子

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以前「知識ゼロからの中国ビジネス入門」という本を読んだのですが、最近その著者である吉村さんと一緒にお仕事をする機会があり、その際にこの本をご献本いただきました。改めてお礼申し上げるとともに、皆様にもご紹介したいと思います。

面子や人間関係の話から考える

この本では面子や人間関係の話から中国ビジネスについてアドバイスするという構成になっています。

この本に限らず、吉村さんの著作で一番面白いのが、中国人の面子や人間関係を「4枚のフィルター」「タマゴ型コミュニティ」などの図でモデル化し、わかり易くしていることです。これは何度も中国ビジネス関連のセミナーなどで講師などをされてきた吉村さんならではの手法です。

中国ビジネス経験が余りない人でもわかりやすい

自動車運転経験ゼロの方は運転に対して不安です。自動車教習所の教官はその不安を解消すべく、「あのポールを目印にしてください」「ここでハンドルを2回転半してください」などという風に、具体的な目安を示しながら、丁寧に教えます。

吉村さんの教え方も、教習所で自動車の運転を教えてもらうような感じがします。吉村さんのモデルも中国ビジネス経験が余りなく「何から学んでいいのかもわからない」方には、不安を解消する良き道しるべとなるはずです。

ちゃんと仕事をしている人には共感できる部分も多い?

日本の会社であっても、実際に仕事をするのは個人です。よって社内人脈作りは欠かせないはずです。しかも相手も誰でもいいというわけではありません。恐らく役職の有無に限らず、当事者意識を持って仕事に取り組んでいて、仕事の質が高く、実行段階にあたって欠かせないキーパーソンを自然と求めるはずです。

台湾や中国では仕事上での人脈づくりとプライベートの友達作りが重なったりするのですが、日本でも最近は職場外での人脈作りの大事さがマスコミで取り上げられたりもしています。仕事にやりがいを感じるタイプの方であれば、台湾や中国式の方がむしろ視野がより広がって面白く感じることも多いのではないかと思います。

ボタンの掛け違いを防ぐことにも重点

日本で仕事を一生懸命やっている人ほど、ちょっとした誤解から中国人の仕事の進め方や考え方に不信感や不満を抱くことはよくあることです。一生懸命なあまり、ボタンの掛け違いもあっという間に大きくなり、修復不可能なレベルに達することも良くあります。

これは非常にもったいないことです。ちょっとした考え方や習慣の違いを乗り越えて彼らの中に飛び込めば、相手の立場に立って考えることができ、普通の人であれば「なるほど!」「彼らのやり方にも一理あるな!」となり、逆に共感できる共通点もたくさん見い出せるはずなのです。

この本ではそういったボタンの掛け違いを防ぐことにも重点が置かれ、上手くポイントにまとめられています。

「転ばぬ先の杖」を持とう

商売柄、中国ビジネス関連書籍というのは良く見るのですが、ある本はやたら楽観的、ある本はやたら悲観的、読んだ本によって中国への見方が180度変わりそうなくらい色々なものがあります。

吉村さん自身も著作の中で「転ばぬ先の杖」を渡したいと書かれているのですが、色々な事例を挙げて、楽観・悲観どちらにも偏らないように、非常に気を配られているというのが、私の印象です。

経営やビジネスの判断というのは最終的にご自身で下すしかありません。でも偏った情報にしたがって出した判断では良い結果は期待できません。是非「転ばぬ先の杖」を持って臨まれることをお勧めします。

(2013年6月14日 更新)

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