今月資本金口座を開設されましたとあるクライアントがちょっとした風変わりな問題に出遭いました。

私たちは多くの会社設立をサポートさせて頂いているのですが、これは初めてのケース。

勿体ぶるわけではないですが、この問題をお話する前に、資本金口座は一般的にどうするのかについて簡単にお話したいと思います。

資本金口座の開設は、法人名称等の予備審査を完了し、現地法人であれば投資審議委員会の認可完了(FIA認可完了)、支店であれば法人認証が完了後に行われます。

銀行での資本金口座開設の一番厄介な点は新法人代表者自らが出頭しなければならないことです。

ただでさえお忙しい社長さんに銀行口座開設に台湾にいらして欲しいというのは気が引けますが、台湾の銀行はどこもそうですのでこれはご協力頂くほかに手はございません。

そのときの持っていくものは、上述の手続きにおいて取得した各種許認可の書類、代表者のパスポート、会社印および代表者印等。

そして、例えば有限公司であれば『○○有限公司籌備處』(「籌備處」は「準備室」の意味)の名義にて口座を開設します。

銀行によって異なりますが、通常色々な種類の文書が多数あり、口座名『○○有限公司籌備處』を何度も書く羽目になります。

そのとき手書きで『籌』と書いていると余りに画数が多く、この漢字が恨めしくなったりします。(総画数20画。)

とはいえ、これはあくまでも余談で肝心の手続き自体は非常に単純です。

銀行の窓口の方に言われるがまま、会社の名前を書き、会社の統一番号(税務コードのようなもの)を書き、自分の名前を書き、我慢強く右手の痺れをこらえつつ『籌』の字を書き続けさえすれば、手続きは必ずや完了します。

そして口座が開設されると通帳をもらい、その際に忘れずに国外から送金する際のSWIFTコードたらをもらって手続完了!

一般的なお話はこんな感じです。

問題が発生する余地も無さそうですが、、、

 

さて、本題へ戻ります。

このクライアントさんは持ち物を揃えてとある銀行へ行ったところ、窓口の女性に

「通常の会社印ではなく、『籌備處』(=準備室)と入った印鑑が必要です。」

と言われました。そんなものはもっていないと彼は私の方に電話し、私の方からこの窓口の女性に

「今まで色々な銀行で何回も同様の手続きをしましたが、そんな印鑑は必要ありませんでしたよ。それに『籌備處』なんて、2週間ぐらいしか存在しないものにわざわざ印鑑を作るなんてナンセンスじゃないですか。」

と申し上げても受け付けず、果たしてお手上げとなった私は台湾人の会計士さんに連絡して、この窓口の女性とお話してもらいました。

さて結果は。。。

「他の銀行へ行った方がいいですよ。」

この窓口の女性は会計師が何を言ってもやはり「当行のポリシーでございます」の一点張りとのことでした。

かといって、わざわざ『籌備處』入りの1,2回しか使わないような印鑑をまた作りに行って時間とお金をムダにするのも得策ではないので、やはり他の銀行へ行った方がよいでしょうと私も思いました。

さて、この出来事から1時間もしないうちにクライアントさんから電話がありました。

「カブさん、資本金口座開設できましたよ。次に行った銀行では、会社印すら必要ありませんでしたよ。。。本当に大丈夫かって聞いたら、『そんな短期間しか存在しないもののためにハンコなんていらない』って言われました。。。」

その言葉、もう一つの銀行に聞かせてあげたいですねと笑いながら、ほっとした私でした。

(2013年7月18日 更新)

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