英閣僚、台北市長に時計を贈り、波紋に:意外に根強い台湾・中国的「タブー」

懐中時計(イメージ)

英国のクレイマー運輸大臣が、2015年1月26日に柯文哲台北市長と会い、記念に懐中時計を贈りました。台湾語や中国語で懐中時計や置き時計などは「鐘(チョン・ヂョン)」と呼ばれ、間接的に死も意味する「終(チョン・ヂョン)」と近い発音、贈り物としてはとても不吉でタブーとされてきました。

台湾の若い世代ではあまり気にしない人も

送った懐中時計は英国貴族院特製の物で、貴族院の議員のみが持つことができるもの。クレイマー大臣は謝罪しましたが、元々は良かれと思ってこれを選んだことは間違いないと思います。
こういった場合、台湾の若い世代ではあまり気にしない人も増えています。私の周辺では例えば引越のお祝いに実用品として置き時計を送っても別に悪意がなければ構わないという人も多いです。

柯文哲市長も気にしていないが、軽口が災いに

柯文哲市長も元々医師・研究者であり、こういった迷信を気にするようにも思えません。実際にマスコミから質問された際には「気にしていない」と答えていました。ただその後に笑いながら付け加えた冗談がマスコミの間で独り歩きする結果となりました。

沒關係,會再轉送給別人,不然就拿去破銅爛鐵可以賣一些錢
(気にしていないね、誰かにあげるか、屑鉄として売ってちょっとでもお金に換えるよ)

不會啦,家住四樓,我太太說我們是醫生,不要怕
(どうってことないよ、うちは四階だけど、我々は医者だから怖くないと嫁さんもいってるよ ※訳注:日本と同じく台湾も「四」は「死」につながる数字とされている。柯市長の妻も医師)

後ろのコメントも含めると、柯市長は英国の閣僚を貶めるつもりで「破銅爛鐵(くず鉄)」と言ったわけではなく、飽くまでも迷信は気にしないというのが主に言いたいことだったはずですが、マスコミには「破銅爛鐵(くず鉄)」の部分だけが取り上げられることになりました。

時代は変わっても意外に根強く残る風習

不用意な発言だったことは間違いありませんが、マスコミの力は恐ろしい。こんな感じで本人が気にしなくとも、周りがうるさい場合もあるので、やはりこういった台湾・中国的風習には注意した方が良さそうです。

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