台湾会社・支店準備室名義で銀行口座開設

台湾会社設立・支店設立では、資本金を入金するために会社・支店設立前に「籌備處(準備室)」名義で口座を開設します。日本のように発起人の個人口座に入金するのとは異なりますので注意が必要です。

支店の場合は資本金相当のものは「營運資金(運営資金)」と呼ばれます。支店設立時の取り扱いは資本金とほぼ同等です。以下支店の場合は適宜「資本金」を「運営資金」と読み替えてお読みください。

「籌備處(準備室)」口座

台湾では資本金を入金するために「籌備處(準備室)」名義で口座を開設します。籌備處の前には予定されている会社名、後には代表者名が併記されますので実際の口座名義は「〇〇公司籌備處 山田太郎」のようになります。

支店の場合は「〇〇公司台灣分公司籌備處 山田太郎」のように「分公司(支店)」が会社名の後ろに入ります。

実際の手続

台湾の地場銀行の場合、代表者本人が窓口に行く必要があります。日本の銀行の在台支店の場合は代表者本人が窓口に行かなくても良い場合もあるようですが、日本の支店に親会社・本店名義で既に口座を持ち、取引がある場合に限るなどの条件があり口座開設に至らなかったことがあります。

以下が準備するものです。弊社でサポートする場合、代表者のパスポート以外は弊社でほとんど用意できると思います。

  • 代表者のパスポート
  • 中華民國統一證號基資表
  • 公司名稱及所營事業登記預查核定書
  • 台湾会社・支店および代表者氏名の印鑑
  • 外資投資許可書類

「中華民國統一證號基資表」は台湾版マイナンバー「統一證號」が記載された書類です。弊社でサポートする場合、 口座開設の前に弊社担当者と一緒に移民署に行き取得することが多いです。

「公司名稱及所營事業登記預查核定書」は予定している中国語会社名がすでに予約されている証明になります。

会社名および代表者氏名の印鑑は、弊社でサポートする場合、印鑑の字体や材質などで特別な要望が無ければ、弊社で普及価格の印鑑を手配します。ちなみに台湾では代表者印は必ず姓と名両方刻印しないと受け付けてもらえません。

国際送金のための英語での仮名義

資本金は基本的に台湾国外より国際送金します。国際送金に必要な情報は送金元銀行により異なりますが、以下の情報を確認すると良いでしょう。

  • SWIFTコード(スイフトコード、国際送金システム上で使われる金融機関識別コード)
  • 口座番号
  • 銀行名(英語)
  • 銀行本店住所(英語)
  • 支店名(英語)
  • 支店住所(英語)
  • 口座名義(英語)
  • 口座名義人住所(英語)

口座名義(英語)については仮で決めておく必要があります(台湾では英語社名の登記は可能ですが、会社設立後になるため)。ちなみに「籌備處(準備室)」は「Preparatory office」と翻訳されるのが普通です。

台湾でも法人名義での銀行口座開設は面倒に

日本でもそうですが、資金洗浄(資金洗浄対策で台湾でも法人口座開設は大変)対策で台湾でも法人名義での銀行口座開設は大変になりつつあります。特に台湾非在住のまま台湾の会社の代表者となる場合、口座開設を断られる場合が増えているようです。

なお支店の場合は支店長はかならず台湾在住(予定)である必要があります。

結果として、必要書類や手続、条件は銀行・支店・担当者・口座開設時期などによって異なる場合があります。最終的に口座開設は銀行の判断になります。

弊社でサポートする場合、開設可否の事前調査は多くの銀行・支店に対して念入りに行っております。弊社でサポートの案件に関して言えば、今のところは(台湾非在住のまま台湾の会社の代表者となる場合も含め)どこかの銀行で口座開設できております。

当相談所は、高度な日本語・中国語による調査能力と柔軟な実行力で台湾会社・支店設立をサポートします。

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