中華電信の光世代用・VDSLモデム

以前引っ越しをした際に、中華電信の「光世代」(光ファイバー・FTTHサービス)を引き込みました。その際中華電信の協力会社の人と話をして色々聞いたので、ちょっと書いてみたいと思います。

まず比較のために日本の話をすると、壁に穴を開けても差し支えない場合は穴を開けて光ファイバーを屋内に引き込みます。もし壁に穴を開けるのを避ける場合は、一軒屋の場合は軒下まで、マンションの場合は建物内の機械室まで光ファイバーが引き込まれます。そこからVDSLという技術を使い電話での通話を妨げないように高周波の信号を電話線(銅線)に流して部屋内までの通信を行います。

VDSLはADSLと同じく、平たく言うと電話用の銅線の性能を極限まで引き出す技術です。極限まで性能を引き出すがために局舎からの距離や銅線の状態にはかなり厳しく、局舎から遠ければ遠いほど、銅線の状態が悪ければ悪いほど性能は著しく劣化していきます。特にVDSLはADSLと比較すると長距離の伝送をほとんど想定していません。

台湾中華電信の「光世代」の場合は部屋内まで光ファイバーを引くということはなく、部屋内は飽くまでVDSLで引き込まれます。

引越し先は新築マンションだったので、地下の機械室まで光ファイバーが引き込まれており、そこから部屋までの電話線(銅線)も新しく、雑音なども入らなかったのでほぼ設計どおりの下り10M・上り2Mで回線が立ち上がりました。中華電信の協力会社の人からは「感動したよ!」との一言がこぼれる位、順調な立ち上がりでした。

もし古いマンションだったり、(台北市だと少ないですが)一軒屋だったりしたらどうなるのでしょう?なんと中華電信の局舎までは光ファイバー、局舎からユーザ宅までがVDSLになるそうです。それって「光ファイバーのサービス」と言えるのかどうかもちょっと怪しくなってきます・・・

中華電信の協力会社の人に聞いてみたのですが、中華電信の局舎から数百メートル以内を一応開通可能エリアとしているらしいのですが、速度が上がらない、まったく繋がないなど、VDSLでの通信が上手くいかないパターンが多く、四苦八苦している様子でした。またビル内の機械室に光ファイバーが引き込まれていてもビル内の電話線(銅線)は古いので、雑音が入ったりなど、速度低下の要因になる場合もあります。そりゃうちの場合は感動するわけですね・・・

台湾人ユーザの声をインターネットで見る限り、VDSLでの立ち上げが上手くいかず、ADSLに戻したりしている例も多いようです(ADSLの方が VDSLに比べると局舎からの距離や雑音などには強いため)。また日本と比べると銅線の状態はあまり良くないようですが、局舎とユーザ宅の距離は近い場合が多いため、ADSLで上手く立ち上がらなかった例は、都市部に限っていえば余り聞いたことがありません。

※ちなみにADSLの場合は局舎からの距離が6~7キロメートルでも繋がる場合があるなど、VDSLと比較すると長距離の通信には強いです。

よって施工方法によっては無理に「光世代」で開通せず、ADSLにして置いた方が良い事例も結構あると思います。台湾国内で「光世代」導入を考えておられる皆様、参考になれば幸いです。

※本記事は2009年12月5日に「台湾で起業」に寄稿したものを若干修正して掲載しています。ちなみ筆者は元通信会社所属です。

(2010年9月17日 更新)

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